損益計算書の見方

決算書は主に「損益計算書」や「貸借対照表」、「キャッシュフロー計算書」などの財務データから構成されています。それぞれ異なる角度から業績動向を見る手掛かりとなるので投資判断には欠かせません。まず「損益計算書」から読み方を勉強します。

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◆ 業績の変化

損益計算書損益計算書とは、ある決算期にどれだけ利益を上げたかを示します。上場企業が決算期末の1〜2カ月後に発表する「決算短信」を試しに見てください。

表紙の最上段に「売上高」や「経常利益」などが並びます。これらを算出ずるのが損益計算書です。

前の期よりも売上高が増えれば「増収」へ利益が増えれば「増益」と書います。その逆は「減収」、「減益」です。損益計算書は業績を端的に表すため、株価変動の材料はなりやすいのです。

 表はビール大手が二月に発表した2005年12月期の連結損益計算書。連結とは子会社を含めグループ全体の業績で、親会社単独の決算より重視されます。

売上高の比較  二社を並べたのは、同業間で比べると会社の強みや弱みを把撞しやすいとの理由からです。(図日経新聞より)

 まず目に付くのが売上高。アサヒ、キリンとも減収なので事業環境は厳しいようです。

 決算短倍などには業績を文章で説明した部分もあり、参考にすれば、前年の猛暑の反動などでビールや発泡酒が低迷したことがわかります。

 利益には複数の種類があるので要注意です。アサヒの場合、例えば営業利益や経常利益は減っているのに、当期純利益は増えています。

 どの利益に注目するかで、業績動向は大きく異なって見えます。

 まず、売上高から、原材料費や製造経費などを差し引い たのが売上総利益で、粗利益とも言います。

 原価に比べ高 い値段で商品が売れたかを示すので、商品に魅力や価格競争力があるかの目安になります。

◆ 営業利益率で収益力を比較

 

 企業のコストには、広告宣伝費や営業社員の給料、事務所貸借料など様々です。

 こうした販売費・一般管理費を売上総利益から差し引いたのが営業利益。「本業のもうけ」に相当します。

ビールの販促費  アサヒが営業減益だったのは、ビールや発泡酒より低税率の「第三のビール」市場で、販促費を使った割に売れ行きが鈍かったのが響いたようです。

 対照的にキリンは「のどごし(生)」がヒットし最高益を更新しました。

 収益力を比べるには営業刹謹孝売上高で割った「営業利益率」が役立ちます。アサヒは6.3%、キリンは6.8%。

 アサヒが利益の9割を国内酒類に依存しているのに対し、キリンは海外展開などで先行してきたのも寄与しているようです。

 利益率は同業種内で比べるのが基本ですが、参考に上場企業全体の平均を見ると約6%。中にはキヤノン(15・5%)や花王(13%)といった優等生もいます。

 

 損益に影響するのは本業だけではありません。キリンは関連会社への投資利益など188億円の収益をあげる一方、社債や借入金利息などで156億円を出費しました。

 こうした財務的な要因も加えた締舎肌な収益力を表すのが経常利益です。

 営業利益より経常利益が大きければ、財務面で余裕があると言えます。例えば武田薬品工業は、経常利益の方が約570億円(前三月期)も多いです。

 登記純利益は投資判断に大きな影響を与えるのは確かです。損益計算書では売上高から出発し.様々な損益を経て、税金を引き、最後に残るのが当期純利益。

 その増減は、株主が受け取る配当額を左石するかもしれません。

 ただ、その期の特殊事情で発生する特別利益や特別損失が加味されているので要注意です。

 アサヒが経常段階で減益だったのに最終的に増益になったのは資産売却損が前の期より半減したためです。

 一時的な要因なので、業績判断にはむしろ営業利益や経常利益の方がいいかもしれません。

 損益計算書は増益や減益がどの段階でどんな要因で発生したかが重要なのです。

 さらに、時系列の比較も大切です。過去5年間分の売上高や利益を見てみたほうがよいでしょう。

◆ 予想数値も株価材料に

 会計処理方法を変えて損益が大きく変動することがあります。

 ソフトバンクは2005年9月中間期、通信機械設備の耐用年数を長くするなどの変更での利益押しにげ効果が、5年ぶりの上期営業黒字転換の一因になりました。

 変更があるかは決算短信表紙の注記でわかります。

 企業は、今後の業績の予相も開示しますが、実際の業績が予想からぶれることも少なくありません。日本ビクターは2月、今3月期の連結営業損益を従来の黒字予想から赤字に変更。昨年10月に続き2回目の下方修正でした。

 ソニーは1月、赤字予想だったのを黒字に修正。ともに株価の材料になりました。

 保守的に見様もる企業もあれば、同業を意織して強気発表する企業もあり、予想は会社によってクセがあるもの。極端な増益や減益の予想になっていなか、その場合、要因は何かと確かめましょう。

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