BRICs新興国株投信は今も人気!
BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)諸国をはじめ、新興国市場の株式で運用する投資信託の人気が続いています。
BRICs投信の運用成績も好調で各投信とも純資産額はさらに拡大中ですが、過熱化を懸念する声も聞かれ始めています。
BRICs・新興国の株式投信の現状と、賢い運用手法を探ってみましょう。
BRICs賢い投資法は?
日興アセットマネジメントが過去に設定した投資信託「日興BRICs株式ファンド」に、3週間で集まった資金は約1200億円です。
運用対象国のBRICs市場規模に比べて、資金流入のピッチが早すぎると判断して販売開始から一ヶ月もたたないうちに募集を一時停止しました。
最近ではBRICsにとどまらず、「アライアンス・バーンスタイン・新興国株投信」など南アフリカや韓国など新興国全般を対象とする投信も増加しています。
BRICs投信に投資するのは原則1万円から投資可能です(一部を除く)。
BRICs・新興国に投資する投信の残高は、合計で3兆円前後と、国内株式投信の3〜4割に達した模様です。
BRICs・新興国投信の運用成績も「日興フィデリティ・グローバルセレクションーインド・アドバンテージ・ファンド」の基準価格が1年で2倍になるなど、軒並み好調です。
BRICsの高い経済成長
BRICs・新興国への投資は、工業化が進む時期の新興国は経済成長率が高く、一方で日本は人口減などで成長率の鈍化懸念もあります。
長期的に大きな成長が期待できるBRICs市場に資産の一部を配分するのは望ましい状態です。
例えば最近、特に人気が高いのがBRICsのインド市場です。フィデリティ投信では「人口が2050年には中国を上回る見込みであるなど市場成長力が大きいうえ、企業の経済効率を示す株主資本利益率(ROE)も高くて、BRICsのインド市場は安心感がある」と、BRICsのインド市場に成長の持続に期待しています。
BRICsの一部に過熱感?
BRICsは、株価の上昇ぶりに比べ、株価収益率(PER,実績値)の上昇は相対的に小さいのです。株価上昇に企業の業績改善が伴っているためで、株価急上昇だけを捕らえて「割高」と判断するのは危険かも知れません。
それでも、特にBRICsのインドやロシアに関してはPERでも過去に比べ高めの水準ではあります。
HSBC投信では「割安感は以前より薄れた」と言い、同社の「HSBC BRICsオープン」は、数ヶ月前からインド株の保有比率を下げ、株価が割安になる時期を見計らっています。
BRICsでは時間分散を使用
個人も一定の金額で時期を何回かに分散してBRICs投資すれば、相場が高いときには少量の、低いときには大量の株式を買え、平均購入単価を抑えられます。
BRICs・新興国投資では、そんな時間分散も有効かも知れません。
変動率が大きいのもBRICsの特徴
BRICs新興国市場は、株価の変動率が大きいのも特徴です。
投信評価会社モーニングスターによると、相場の触れ幅の大きさを示す指標である「標準偏差」は、日本株型投信の平均で年率23%。一方、BRICsのインド株型は約35%、東欧、ロシア株型だと約48%です。この指数が高いほど、急騰・急落の可能性がともに大きいのです。
特定の国への投資に確信が持てなければ、リスク軽減のため1国型ではなく分散投資型を選ぶ選択肢もあります。例えば、BRICs各国に分散投資する型なら標準偏差は27%です。
BRICsには長期的な視野も重要
「BRICs・新興国の投信は5〜10年を視野に保有してほしい」とHSBC投信では言います。
BRICs・新興国市場では短期では変動が大きくても、長期では上昇傾向があるからです。
例えばブラジルも2004年に数ヶ月、株価が下落しましたが、5年間では大幅に上昇しています。
BRICsの急変には注意
長期一辺とうも危険な面もあります。1997年のアジア危機後、為替相場も急落、アジア諸国の市場は数年にわたり低迷を続けました。
新興国市場の経済基盤は、当時に比べ大きく改善したとされるが、何かのきっかけで暴落する可能性もまったくないわけではありません。
BRICs・新興国株投信は、一般に、信託報酬が2%前後。1.5%程度の日本株と比べると高めです。
BRICs・新興国株投信の運用成績がふるわないまま、長期で資金を置いておけば、その分、信託報酬のコストもかさみます。
長期的な混乱が予想される場合は機敏に対応し、新興国株投信を手放す決断も必要です。
資産の10-15%がBRICs投資には適当
リターンもリスクも大きいのが新興国市場。アライアンス・バーンスタインでは、投資家に、そうした状況を丁寧に説明しようと、新興国投信を販売する際、「資産のうち、BRICs・新興国株での運用は10〜15%程度までが適当」と呼びかけています。
BRICs・新興国株投信だけでなく債権や先進国の株式など、 値動きの異なる商品と組み合わせた資産配分も必要です。
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