投資コストは長期投資ほど影響が大きい

投資コストは長期投資ほど影響が大きい

投信コストとして毎日引かれる信託報酬

投資コストを意識する

株式相場が高値圏で推移する中、株式などで運用する投資信託の残高が増えています。

 

でも意外に知られていないのが投信の様々なコストです。

 

これによって長期の運用成果が大きく違ってしまう可能性もあります。

 

投信コストはノーロード型の投信でも

 

 最近はノーロード型の投信も増えて来ましたが、 コストがゼロというのは誤解です。

 

投信のコストには販売 時に一度だけ払う「販売手数料」、運用手数料として日々かかってくる「信託報酬」、 換金時にかかる「信託財産留保額」の三つがあります。

 

ノーロードというのは このうち販売手数料がかから ないだけです。

 

投信コストで重要なのは信託報酬

 

むしろ重要なのは信託報酬です。運用期間中ずっと発生す るので、長期投資するほど影 響が大きくなります。コスト は総合的に判断しましょう。

 

投資コストは、抽象的に考えていてもピンと来ません。具体的に実際の投信で考えるべきです。そこで、国内株で運用する代表的な三つの投信につ いて、ITバブル崩壊後、3月末まで六年間の投資コストの成績を比べてみました。

 

この期間を選んだのは、市場全体の値動きを 表す東証株価指数(TOPI X)が下落・上昇を経て、ほぼ 同じ水準に戻っていて比べやすいからです。

 

投信の時価を「基準価格」 といい、基準価格の騰落率が関係してきます。

 

ノムラ日本株戦略ファンドの投資コストを差し引いた損益

 

例えば「ノムラ日本株戦略ファンド」は 六年間で基準価格が約7%強落しました。基準価格は実際の運用成績から信託報酬などを差し引いて計算します。

 

そこで今回は、あくまで概算ですが、六年益の信託報酬の合計を基準価格に足し戻したものを、「本来の 成績」とみなしています。

 

戦略ファンドの信 報酬は年1.995%なので 、単純計算すると六年で約12%。基準価格にこれを加えると、本来は5%弱のプラスだ ったことになります。

 

投資コストとして、最初に支払った販売手数料と信託財産留保額も考えなければなりません。ノムラ日本株戦略ファンドでは販売手数料が3.15%、信託財産留保額が0.3%なので、7%強のマ イナスだった基準価格から、こ れらを引いたマイナス的11%弱が、投資家にとっての最終的な損益といえます。

 

フィデリティ・日本成長株・ファンドの投資コストを差し引いた損益

 

成績もコストも、投信によ って異なります。「フィデり ティ・日本成長株・ファンド」 は同期間の本来の成績が14%のプラス、投資家の最終的 な損益はプラス約1%で、差は約13ポイントでした。

 

さわかみファンドの投資コストを差し引いた損益

 

次は独立系の「さわかみフ ァンド」。資産規模が違うので、一概には比較できませんが、投信本来の成績は同期間で、93%のプラス。「投資家のコストを最小限にしたい」 (沢上席人社長)と信託報酬 を年1.05%と低くし、販 売手数料もゼロ。なるべく長期運用してもらうため信託財産留保額は25%と高めで すが、投資家の最終的な損益は、約85%のプラスで、本来の成績との差は8ポイントでした。

 

投信コストは引いたら運用成績は平均以下ということも

 

金融情報会社QUI CK・QBRによると、国 内株アクティブ(積極運用)型の株式投信の費用の平均 は、信託報酬が1.49%、 販売手数料が約2.8%です。
実は必ずしも運周成 績が良いとは限りません。さきほどと同じ六年間、TOPIXは.1.3%のプラスとほほ横ばいです。しかし積極運用型の投信の基準価格の平均的な値動きを示す「QUICK-R&I投信指数」はマイナス6%。投信は全体でみると市場平均に負けています。

 

基準価格は信託報酬を引かれた後の価格なので、その分、 市場平均に対してハンディはあります。

 

ファンドマネジャ ーの中からは「信託報酬がやや高すぎをかもしれない」、そ の分を上回るほどの良い成績を恒常的にあげるのは難し い」との言葉も聞こえます。

 

もちろん投信の成績は時期により異なります。日本株 信は上昇局面に強いものが多く、例えば過去三年間の相場の上昇局面に限れば、TOP IXが29%のプラスだっ たのに対し、基準価格で戦略ファンドが131%、フイデ リティが140%、さわかみが129%の、それぞれプラスで、すべて上回っています。

 

しかしそうした時期でも、コストが安い方が投資家の取り 分が多くなるのは同じです。

 

投信コスト信託報酬は水準上昇傾向に

 

株式の手数料は過去に劇的に下がりました。しかし、統計は無いようですが、投信業界では「逆に投資コストは上昇した」との声も聞こえます。

 

そこで現存している投信の設定年ごとに信託報酬の平均を出したところ、やはり大きく投資コストは上昇していました。

 

外国投信会社が日本に入った際、販売会社に売ってもらうために信託報酬を高めに設定、それが全体の投資コストの水準を引き上げました。投資家も投資コストに敏感でなかったため、受け入れられたようです。

 

この投資コストの一部である信託報酬の半分弱は証券・銀行など販売会社に入ります。一度投信を売れば、ずっと一定収入が入り続けるわけです。それが金融機関が投信販売に積極的な理由の一つです。

 

投資コストを抑えるには自分で運用するのが一番ですが、自信がない場合、投信が有力な候補であることは変わりません。しかし、過去の運用成績とともにコストもしっかりみてください。

 

ちなみに投信と保険を組み合わせた「変額保険」など、よりコストが大きな商品も数多く存在します。


お探しの情報はありましたか?



他の語句でも検索できます。

投資コストは長期投資ほど影響が大きい関連ページ

BRICs新興国株投信
新興国株投信は新興国の株を投信で購入するというものです。
商品先物指数連動型投信
商品先物として原油相場や金価格の上昇を背景に、商品投資が注目されています。
ミニ公募債
ミニ公募債は自治体によって発行される債券です。発行自治体によって発行時期や利回りなど様々です。
特約付き外貨預金
特約付き外貨預金は、満期時に円安になっていれば円建てで、円高になっていれば外貨建てで元本が戻る。
変額年金保険
変額年金は投資型年金とも呼ばれ、運用成績によって将来の受取額が変動するのが特徴です。
毎月分配型投資信託
毎月分配型投資信託は見た目には安心な投資といえますが、そのリスクはあまり知られていません。
ラップ口座
ラップ口座とは運用を証券会社などに一任しプロが投資を肩代わりするものです
お薦め書籍一覧
資産運用のためには自分にあった情報が必要です。その一歩として書籍を入手することは必要です。

ホーム RSS購読 サイトマップ
金融商品のリスク 株式投資 外貨投資 財務諸表の見方 投資口座開設