Q1 あなたはどちらを選びますか?
@ A 必ず80万円がもらえる
B 100万円もらえるが15%の確率で1円ももらえない
A A 必ず80万円払う
B 100万円払うが15%の確率で全くはらわなくてよい
Q2 祖父の代から持っている株は売りにくいですか?
A はい
B いいえ
Q3 実際は持っている株を持ってないと仮定して、「買いたくないから売り」と言い切れますか?
A はい
B いいえ
Q4 a株(50万円で買い、時価100万円)と、b株(200万円で買い、時価100万円)の2つを
持っています。 今100万円が必要になりました。どちらを売りますか?
A a株
B b株
Q5 買値から30%上昇したら売ろうと考えていましたが、予想以上に上昇スピードが速ければ
様子をみますか?
A はい
B いいえ
人間心理を経済や投資理論に反映させる学問を「行動経済学」といい、代表的な研究者であるカーネマン・プリンストン大教授が2002年にノーベル賞を受賞し、脚光を浴びています。
Q1は「利益は伸ばし、損は早めに切れるか」ということです。
どちらの回答が有利かは、それぞれの金額に、それが起きる可能性をかけた「期待値」で判断できます。
@ではもらえる金額の期待値が、Aは80万円(80万円かける100%)なのに対し、Bは100万円かける85%で85万円。Aでは支払う金額の期待値が、Aが80万円、Bは85万円です。
「株式投資では利益を大きくして損失を小さく抑えるための冷静な判断が大切。@はB、AはAと答えるのが理想的な投資家タイプです」
ただ実際には、@A、ABと答える人が大部分だそうです。
このタイプは利益の出ている銘柄を売り急ぐ半面、損失の発生した銘柄を保有し続ける傾向があります。
『鴨(かも)がねぎを背負ってくる』タイプ(笑)で、大半が該当します。
その他の答えの組み合わせで性格を分析すると、A−Aは堅実型、B−Bは一発勝負に賭けるタイプです。
Q2は「プロと同じように投資できるか」、Q3は「塩漬け株を処理できるか」ということです。
持っているうちに思い入れが強くなることを行動経済学で「所有効果」といいます。
しかし本物の投資のプロは、そうした感情にとらわれずに行動するものです。
Q3も同じで、塩漬けになっている株は売りづらいものです。しかし、その株を持っていないと仮定して考えてみて、その時点で買いたくない株は売るべきです。
Q2はB,Q3はAと答えられる人の方が、概して運用成績はよくなるでしょう。
Q4は「先入観や思い込みを取り除けるか」というテストです。
投資家として成功するには、Bを選ぶ方が正しいのです。
株には一定のトレンド(流れ)があり、利益が出ている株は、さらに利益が伸びる可能性があります。
Aを選ぶとそれを失ってしまいかちです。ただ実際にはAと答える方が大半です。
行動経済学でも、人間は大きな利益を得られる感性を捨て、確実な利益を選びがちとされています。
信用取引がどれくらいの含み益もしくは含み損の状態にあるかを表す指標に、評価損益率というのがあります。
自分の予想と逆に動いているにもかかわらず、それを認めたくない心理が働き、相場はすぐに反転するだろうと思って買いを入れるのです。
ところが往々にして相場は、さらに下落を続けます。評価損益率がマイナス20%程度になると、耐えられなくなって投げ売りが発生、買い残が減少します。
投売りが出ると、重しが取れて相場は上昇に向かい、評価損益率も改善していきます。しかしゼロになる近辺で、改善は止まります。「利益が出ているものから売ってしまい、利益を十分に伸ばせない」のです。
投資は自分の心理との戦いであり、同時に他人の心理や行動パターンをしっかり分析することが大切です。
買おうと考えている人は相場に対して強気の見通しを持ち、寄り付きから買うことが多いのです。逆に売ろうと考えている人は慎重なタイプが多く、買いが一巡してから売却してくる傾向があります。
このため、当日始値より当日終値が低くなることが多くなりがちなのです。このように投資家の心理や行動パターツを分析できれば、投資成績を改善する手立てになります。
Q5は、「自分の運用ルールを守れるか」のテストです。
自分の心の動きにとらわれて不合理な行動をとら払いことも重要です。大切なのは売買を始める前に、どれぐらい利益が上がったら確定するかなどの自分なりのルールを決めて、守り続けることです。
つまり、Q5ではBと答えた人の方が現実には運用成績は良くなりがちです。
ルールを記録などに残しておき、忘れないように心がけるのも必要かもしれません。
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