 特約付き外貨定期預金は、為替相場によって満期金が円で戻ったり、外貨で戻ったりする複雑な預金で、「二重通貨預金」、「仕組み預金」となどとも呼ばれます。
表示金利が高く、根強い人気があります。満期三ヶ月物の金利は、年率で5%強が中心です。通常のドル建て定期より1.5%ほど高めです。
しかし、表示金利から受ける印象ほど、有利とは言いがたいのが実態です。預け入れた時点では円預金の形をしています(ドル預金の場合もある)。しかし、満期日の円相場が予め決められた判定レートより円高になっていれば、自動的に転換されて戻ってきます。
この商品には実は「通貨オプション」というデリバティブ取引が仕組まれており、預金者自身が気づかないまま、リスクを伴う「円相場予想ゲーム」に参加していることになります。
例えば、「預金者は114円より円安になると予想、しかし予想が外れて円高になれば差損を抱えたドルを受け取らなければならない」という契約になるのです。そのリスクを取る代わりに預金者は、事前に相手から一定額の補償(オプション料)を受け取ります。このオプション料の分だけ表示金利が高くなる仕組みです。
通常は、他の金融機関がその相手側になります。例えば、預入時(114円)よりたった1円、円高になる(115円)だけで預金者の負けですから、負ける確率はかなり高いのです。本来は、その確率に見合うだけのオプション料をもらわないと割りに合いませんが、実際には販売銀行が一定の手数料を差し引いています。その割合は非公開なので、預金者にとって条件が不利だったとしても見分けられません。
ちなみに円安のときは、円のまま戻りますから、為替差益は発生せず、通常の外貨預金に預けていたほうがよかったことになります。結局、明らかに得なのは、満期日に判定レートで収まったとき、表示金利がまるまる利益になりますが、その確率は高くはありません。
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